僕が 卒業した大学の元学長先生が亡くなりました。
あまり、親しいとか、長くお話させていただいたという訳ではないのですが。
朝から その事が 頭を離れません。
大学時代 先生は年齢を感じさせないくらいパワフルでした。
これは、力持ちとか年の割には体力があるといった 類の物ではなくて
全身から、気迫を感じる
そんな 先生でした。
大学2年の時、先生に 1時間ほどお時間を頂き
予算的に行き詰まりつつあったイベントの話しをさせて頂きました。
以前
10年目のプロポーズでも少しだけ書いた話しです。
このイベント、経済系の大学でゼミを選択した学生の集大成となるイベントで
各大学が持ち回りで開催し、各ゼミで書いた論文を発表することになっているものなのですが
1000名を超える大学生が 集う大会を開催するのには
宿の手配から、食事やら、記念講演会、出版等々 かなりの費用がかかります。
また そのスタッフを集めるのにも 相当苦労しました。
(結果、数々の仲間という宝物を手にしたのですけど)
その段取りの大変さと大会の趣旨を理解してもらう為に
いろいろ準備して 面談に望んだのですが
いざ部屋に入ると そのパワーに圧倒されて
ヘビに睨まれたカエルくんのような状態で、パニック・・・。
自分で何を話してるか分からない状態に・・・。
その時の緊張は 今でも 忘れません。
一通り話すのに 30分もあれば終わるところを
気がつけば もうすぐ1時間というところに
そして、これから ドクターの診断があるのでお開きにしようと
学生部長の先生が 「そろそろ・・・」と声を掛けた時
部屋を出る間際 最後にもらった言葉が
「君の熱意は 充分 分かった。
でも、大学はすべて飲む事はできないよ。自分で努力をしてみて、それでも駄目だと言うときに もう一度来なさい。」
かなり頑張ってたし、行き詰まっていた 僕は
この瞬間 もう駄目だ!って スタッフのみんなになんて説明しようと考えてました。
でも、しばらくして、
学生部長の先生の所に呼び出された僕はこう言われました。
「学長先生がいろんな手を尽くしてくれてるから。
お金の心配はしないで、イベントを進めるように。
学長先生も、学生のやりたいことをさせてあげられないのが一番つらいと思うから。」
いま この歳になって
あの感じたエネルギーの正体が何となく分かったような気がします。
多分、僕たち 学生を背負って生きていたのでしょうね。
翌年、学長先生は 健康上の理由でご隠居されました。
僕は 何の恩返しも出来ないまま。なんとか 卒業しましたが
もっとああしておきたかった。こうしておきたかったってのが 山盛り あります。
僕が 今できることは 何だろう。
師 と同じように 何かを背負って生きていくことなのかなって
漠然と思いました。
今日は 月を見ながら 師 に教えてもらったことを
思い出してみようと思います。
ありがとう ございました。